技術士一次試験 原子力・放射線部門 概要

この原稿は

 

1. 技術士について

2. 技術士一次試験概要

3. 合格までの流れ

4. 私の勉強記

5. 受験記 ( 感想 )

6. 原子力の資格について

 

の順番です。

 

 

1. 技術士について

 そもそも技術士とはなんぞや、ということですが我が国における技術系の資格で最高位に位置づけられるものです。といっても"技術士"の資格がないとできない業務や仕事というものは無く、「技術士に合格していないと技術士と名乗ってはいけない」といった名称独占資格という資格です。

 技術士になるためには、「特定の大学の特定の学科を卒業する」もしくは「技術士一次試験に合格する」のいずれかを満たし、かつ実務を4年から7年以上経験した者が「技術士二次試験」に合格することで、技術士登録することができるようになります。

 技術士には21の専門科目が存在し、原子力放射線部門もあります。

 技術士会の統計情報によると、昭和33年から令和元年までに技術士二次試験は12万5千人合格しているようです。まあ、亡くなった方や登録しない人等いらっしゃるので人数は1桁万人だったと思います。この間技術士の方に伺いましたが正確な数は忘れてしまいました。

 

 

 

2. 技術士一次試験概要

 一次試験は専門科目、適正科目、基礎科目の三科目に分かれており、専門科目は受験者が20科目の中から受験申請時に選んだ科目となります。

 

専門科目は35問から選んで25問回答

適正科目は15問

基礎科目は6分野に分かれており、各分野6問から3問選んで回答

 

 時間は専門科目のみ2時間、残り2科目は1時間です。

 合格ラインは全科目5割以上、そのため基礎科目などは得意分野があれば苦手分野は捨ててしまってもなんとかなります。

 

 

 

3. 合格までの流れ

 申請書は日本技術士会に"申請書をくださいという申請"を送りつけると入手できます。コロナ禍のため偶々かもしれませんが、手渡しはなかったと思います。郵送申請だけ。

 そして申請書を記入し、受験料の払込をし、再び申請書を郵送することで受験申請が完了です。

 この期間としては、受験申請書配布開始が受験日の4ヶ月ほど前(6,7月)、申請期限は3ヶ月ほど前(7月)までとなっています。

 

試験日のひと月前に受験票が届きます。(9月)

 

 当日の試験(10月)は3科目に分かれ、専門科目2時間、適正科目1時間、基礎科目1時間の順番で行われ、各科目途中退室はできません。

 

 試験はすべて5択のマークシートで、試験から8日後の月曜日(試験日は日曜日)に技術士会のホームページにて正誤発表があります。

 合格発表は12月なので回答はメモしておきましょう。そうしないと自己採点ができず、二ヶ月間悶々として過ごすことになります。

 

 

 

4. 私の勉強記

 六割を目指したら六割が取れた程度の私が書いても仕方ありませんが、参考までに。

 

 まず基礎科目ですが、たくさん参考書が出ています。私は例によって図書館にてオーム社より出版されている2019年版の「技術士一次試験基礎・適正科目完全回答」を参考に勉強しました。

 しかし、まったくやる気が起きず、更に試験前日が大学外部で受けている講座のグループワークの実験日だったため、受験日一週間前は勉強どころではなく、zoom会議やら資料作成やらに追われていました。

 やったこととしては参考書にある7年分の過去問+技術士会のホームページに有る過去問3年分を回答、参考書の解説読み込みです。

 やる気が無いので1回ずつしかやりませんでした。

 ペースとしては30問全て回答して40分程度。本番は15問回答なので二周はできそうっていう感じです。

 私は工学系の学生なので情報はあまり得意ではなく、それ以外の科目は事前知識でのゴリ押しといった感じです。どの年度も7割を下回ることはなく、わからない問題も多いけど、わかるやつがあるのでまあいいか、の精神で解き続けました。

 

 

 適正科目は3年分のみ。やればわかりますが、"同じ問題しか出ません"、それにまともな倫理観と読解力があれば7割を下回ることないと思います(得手不得手ですが)。

 

 

 専門科目はマジで問題。なぜかというと参考書がないから。私が受けたのは原子力放射線部門のため、受験者は毎年百人程度であり、当たり前ですが参考書なんで売れません。幸い私はRI試験を受験予定なので放射線概論を予め学習済み(半年経って抜け落ちてますが)のためある程度はなんとかなりました。けれど放射線はわかっても原子力はわからない。プラントコストとか何だとかなんて知らないし、計算問題や並び替えは正直全くわかりませんでした。

 

 勉強方法も過去問解くしか無いので(しかも解説なし)、5年分の過去問をといて丸付け、間違った問題の復習をやりました。

 なので基本苦手分野は全捨て。専門は35問中25問答えて13問あっていればいい。つまり1/3がわかっていれば受かります。残り1, 2問は1/5を運ゲーで当ててください。

 私は法令と生物影響、処分については詳しいと自負しておりますので、得意科目を活かす戦法。あとはリテラシー運ゲーでなんとか合格ラインを超えました。

 といっても、なんだかんだ過去問を解いてて6割取れなかったのは一年しか無く、なんとかなるかなみたいな雰囲気で受験しました。

 

 

 

5. 受験記 ( 感想 ) 

 

 試験当日は専門科目からなので最初に一番重い二時間科目です。私は神奈川で受験しましたが、試験部屋には放射線部門は12人、残りは化学の人とかがいました。

 

 専門科目ですが、最初に解く問題を選んでおけば時間は余ると思います。何度か見直して計算問題をやり直したりする余裕はありました。基本的には二時間もあるので焦る必要はなく、ゆっくりとわかる問題を探し、わかる問題を確実に解く。ボーダーは5割なので知らないもんは知らなくても大丈夫です。

 

 次の適正科目は感覚です。特に語ることはありません。自らの倫理観と国語力にまかせ、十分な点数をとってください。

 

 最後の基礎科目、これも最初に分野ごとに解く問題を決めておけば、解き直す時間くらいはありました。専門科目と同じですが、得意科目があれば苦手科目を一つ捨てても大丈夫です。私は情報と解析の2つ捨てましたが、残り3科目でゴリ押しました。

 

 

 そして正誤発表の今日に至りますが、正直受かると思いませんでした。というのも「技術士補.com 」という掲示板でみなさんが答え合わせをしているのですが、それを見る限り基礎科目が1点足りませんでした。おそらく私よりも真面目にやってきた方々が話し合っている中、私の回答があってるだなんて思わないので諦めかけていましたが、正誤発表を見るとなんとか

基礎9点 (60%)

適正11点 (73%)

専門28点(1問2点) (56%)

でした。

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追記

 まあ結果として合格でしたので、意外と投票など当てにならないといった感じです。 

 けれどどちらにせよ正誤発表で合格かどうかを判断するためには自身の回答が必要なので必ずメモをしておきましょう。

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6.原子力の資格について

 

 私は原子力を学んでおりますので、その知識の客観的指標として資格を集めています。

これまでは

エックス線作業主任者

を取りました。

現在は

放射線取扱主任者(RI試験)第1種

を目指しています。(2020年12月に受験し、無事合格しました)

 

 そもそも実務無しで取れる原子力放射線系の資格は、業務従事者などの申請系の資格を除くと

・エックス線作業主任者

ガンマ線透過写真撮影作業主任者

放射線取扱主任者 ( RI試験 ) (1種、2種、3種)

技術士一次試験(正確には資格ではなく、あくまで一次試験の合格、あるいは技術士補登録程度に留まる)

・原子炉主任者

・核燃料取扱主任者

の6種類のみです。

 

実務があれば

・環境測定士

技術士

・原子炉発電所運転責任者

の3種類も追加で取れます。

 

 私は学生なので6種類くらいしか取れません。とはいえど原子炉と核燃料とは受験料が5万円ほど、合格率は20%程度です。そもそも原子力の資格を取ろうとする人は詳しい人ばかりで、原子炉と核燃料とは事業において専任が必要な資格です。だからこの二つの試験を受ける人は、長年就労し必要な人が勉強して受験しているはず、にもかかわらず20%の合格率はもはや正気じゃありません。

 

 また、X線γ線とは放射線取扱主任者 ( 1種, 2種 ) の資格があれば申請できます。

そのため、現実問題として取るべき資格、取れそうな資格は

放射線取扱主任者 (1種, 2種 )

技術士一次試験

の二つです。

 じゃあなんでX線取ったのかって言われると、RIに受かる自信がなかったからです(去年)。

 ただ、RI試験を合格しても17〜20万くらいの講習を受けないと放射線取扱主任者の資格は入手できないので、現実問題としては試験だけ合格して就職後、会社などのお金で講習を受けられたらなと思っています。そのため、来年度ガンマ線透過写真撮影作業主任者の試験日あたりが暇だったなら受験するつもりでいます。

 

 

 また、これは私の主観ですが、RI試験の2種を取るくらいなら1種を取る方が良いと思います。というのも、「そもそも1種は2種の上位互換である資格ということ」、私の感覚として「1種を取る労力を100とすれば2種を取る労力は80くらいであること」との2つの理由からです。2種の勉強では非密封や下限1000倍までの放射能の線源についてを勉強する必要が有りませんが、それ以外は基本的に同様です。確かに出題形式が異なり、2種は法律や実務の配点が高く、また、どの科目も1種と比べて半分程度の問題数なため試験の重さが異なりますが、どうせいつか1種を取ろうと思っているのであれば2種を受ける前にもう少し努力をして1種を目指し他方が却って賞味の努力量は減るんじゃないでしょうか。まあ2種受けて無いんでしらんけど。

 

 コレクターかつペダンティックな人間なので資格取得には割と全振りしてます。今後も頑張って行きたいです。

 今のところはRI1種、危険物乙1,3,4,5種の後に甲種、γ線、の資格がほしいかな。あと英語の勉強もせねばならんのでまずはTOEICも750~800点目指したいかも。

 

以上。

エックス線作業主任者試験 概要

エックス線作業主任者試験の概要まとめです。

 

段落は

・そもそもエックス線作業主任者とは

・試験概要

・免許取得までのながれ

・私の受験記、感想

の4つ。

 

次の2つは参考になるサイト(試験のHPとwiki)

 

安全衛生技術センターホームページ

https://www.exam.or.jp/index.htm

 

wikipedia,エックス線作業主任者

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E7%B7%9A%E4%BD%9C%E6%A5%AD%E4%B8%BB%E4%BB%BB%E8%80%85

 

 

 

 

それでは本文はここから

 

・そもそもエックス線作業主任者とは

1MeV以下のエックス線発生装置を用いた作業の際に専任が必要な役職です。

事業者は上記の作業(医療用を除く)を行う際に放射線作業主任者を選任しなければいけません。

そして、選任されるためにはエックス線作業主任者免状を持っている必要があります。

 

 これは個人的な体感ですが、受験者の大多数は社会人の方だったと思います。就職のためにとかで取るような資格ではなく、業務上必要な職業についている方が会社から言われて受験しているのではないかと感じました。

 

 

・試験概要

試験は各安全衛生技術協会の会場毎に年3回or6回行われており、筆記試験に合格することで免許申請をすることができるようになります。

 

 

合格条件は各科目4割以上かつ、全体で6割以上です。

また合格率は56.9%(平成30年度)ほどです。

 


試験料:6800円

試験科目は下表通りです

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受験科目

 

詳細としては、

午前が管理と法令で、昼休みを挟んで午後が計測と生体影響の筆記試験を受けます。

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追記

→令和3年度6月より、試験日程が変更されました。

 現在では、管理、法令、計測、生物影響の4科目をまとめて4時間の試験となっております。(試験時間は関東では12:30~16:30で休憩なし)

また、科目免除者は1科目ごとに1時間ずつ試験時間が短くなります。

変更前後で、試験時間の増減はないので、根本的には変化がないと思いますが、関東民としては千葉のくそ田舎に朝早く到着しなきゃいけない割に、試験が簡単すぎて時間は余るわ、結果昼休みが二時間もあるわで、なんとなく無駄な時間を過ごしている気にさせられていたので、良い変更。うらやましい限りです。

以上追記

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電卓持ち込み可の試験ですが、関数電卓は不可です。

そのためln2など覚える必要がありそうですが、基本的には与えてくれます。

また、計算自体は難しくなく時間もたくさんあるため、最悪電卓がなくても十分合格することが可能です。私は電卓を用意しておらず、当日にあわてて駅前のコンビニで1,000円くらいの電卓を掴まされましたが、必要ないくらいには簡単な計算で済みます。あったら良し、なくてもまあいいかくらいの感覚です。

 

 

 

 

・免許取得までの流れ

まず受験申請書の請求ですが、安全衛生技術センターに郵送で申請書の申請を行いました。

郵送での請求について

 郵送を希望の方は、「免許試験受験申請書(受験する試験の種類も書いてください。) 〇部(必要部数を書いてください。)」と明記したメモ書と返信用郵送料金分の切手を貼った宛先明記の返信用封筒(角型2号封筒 縦34cm、横24cmの大きさ)を同封し、当協会本部又は受験を希望する各センターのいずれかに申し込んでください。
 なお、出張特別試験を御希望の場合は、希望する地区名と必要部数もメモ書に明記し、その地区を管轄するセンターへ申し込んでください。実施地区と管轄するセンターは、こちらで確認してください。

https://www.exam.or.jp/exmn/H_seikyu.htm(安全衛生技術センター 受験申請書の請求)

 

また、クレーン協会やら労働基準協会の各拠点で受け取ることも可能なようです。

 郵送料や申請書取り扱い機関は上記のURLに詳細がありますのでご確認ください。

 

 

そして申請書が届いたら、その中の書類に書いてあるとおりに申請を勧めます。

やったことは

・証明写真の用意(内容とは関係ありませんが"履歴書カメラ"なるスマホアプリを使うと証明写真サイズの写真を取れます、コンビニなどのプリンタから数十円で印刷できるので、費用がかからずおすすめです)

・受験申請書の作成 (書き損じても所定の方法(斜線など)で訂正は行なえますが、申請書に付属している厚紙に直接記入するため、もう一枚もらうのは大変です。よく確認して間違いのないようにしてください)

・試験料の振り込み

くらいです。

この申請書ですが、受験する学科(皆さんはエックス線作業主任者かとおもいます)によって紙が異なります。実技の有無で変わっていたと思いますが、申請書の説明を読んで間違いのないように気をつけてください。

 

申請書は自分の受験する会場に送ります。

 

 

申請後、受験の2週間ほど前(もっと前だったかも)に名前や受験番号などが書かれているはがきが届きます。これは受験当日に卓上に置いたままにするよう指示されますので、書き込みや汚しすことがないよう、また、なくさないように保存してください。

 

 

私の会場では到着後、一階のロビーにある窓口で名前や住所などの確認をおこない、その後試験部屋(二階)へ通されました。

受験当日はまず軽い説明(電卓や書き込み方法の説明)を行ってから、本人確認をされます。このとき申請書に添付した証明写真と見比べられるので、写真と同じ状況(メガネならメガネ)があったほうが良いです。

 

 

その後午前の試験を受け、昼休憩

(一時間で途中退出したので二時間ほど、会場を出てあるき回りましたが何もなかった→2021年6月に伺った際には徒歩20分くらいの地点にセブンイレブンができていました)

の時間になり、また午後の試験です。(時間変更、前述)

後にも書きましたが1時間で試験は十分に終わりますので、焦らなくて大丈夫です。

 

そして免許申請書の冊子(昼からロビーにあったかな?)をもらって帰りました。

 

 

一ヶ月くらい立つとホームページにて合格者の受験番号が公開され、それから少し経って合格通知書が自宅に届きます。

もらった免許申請書の冊子の通りに申請書を作成してください。

このとき、合格通知書も添付する必要があるので、汚したり無くしたりしないようにしましょう。

また所定額の収入印紙(コンビニなどで買えます)や証明写真などを貼り付け申請書を作成し、郵送します。

 

少し待つと免許が届きます。普通にポストインです。

 

以上が受験申請書の請求から免許取得までのおおまかな流れです。

 

 

 

 

・私の受験記、感想

私は総合大学の工学部生でエックス線作業主任者試験を受験、合格したのは令和元年度です。

 

もともとは放射線取扱主任者試験の取得が目標でしたが、流石に工学や原子力について学び始めてから四ヶ月程度で受験する気にはなれず、「放射線取扱主任者(RI)ならエックス線作業主任者の免許もらえるのか~、なら逆にRI受ける準備運動としてエックス線作業主任者とるか」といった感じで、対策をはじめました。

 

勉強は至って簡単で、大学の図書館にあった『エックス線作業主任者試験徹底研究』をやり込んだだけです。

①ただ読んで問題は放置。

②文章読みつつ、問題解答。

③問題だけ解いて、間違えたりわからなければその章を読み直し。

④模擬問題と過去問の解答

をやりました。私が参考にした『エックス線作業主任者試験徹底研究』は十年以上前にオーム社から出版されたものですが、それだけで十分対策できます。わざわざ新しいものを購入しなくても中古の型落ちで十分だと思います。

また、過去問は直近二回分のみ、安全衛生技術センターのホームページからダウンロードできるのでそれを用いました。

 

試験を受けた体感としては「思ったよりも簡単」ということです。基本的には過去問と同じ様な問題が出たため、焦ったりはせず受けることができました。

私は数学があまり得意ではありませんが、本資格を受けるにあたって出てきた目新しい数式は2,3個ほどで、最悪暗記でもどうにかなります。私が理系だからかもしれませんが大体の式が感覚的に理解出来る形をしており、特に苦労しませんでした。

 

そのうえ問題の三割ほどは過去問と全く同じ、残りはすべて似たような問題でしたので過去問さえやればどうにかなるかもしれません。

 

受験当日、私は電卓を忘れ駅前のコンビニで買ってから向かいましたが、正直いらなかったです。数字はせいぜい三桁で難しい計算はないので手計算でも十分対応できます。

 

私は関東在住なので千葉のセンターで受験しましたが、駅から遠くバスが非常に混み合います。また、センターの中には飲み物の自動販売機以外なく、近隣に飲食のできるお店はありませんでした。昼食を用意していく必要があります。私は駅前のコンビニで調達しました。3店舗くらいはあります(2019年時点)

 

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追記 前述のとおり2021年6月時点では関東安全衛生技術センターから徒歩15分程度の距離にセブンイレブンができていました。

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受験当日ですが、午前、午後ともに試験は1時間で十分回答できました。試験時間はどちらも2時間なのですが、1時間で途中退出できます。(もどってはこれません)

これは体感ですが、問題の難易度は1時間で2,3周できるくらいには簡単なので、もし1時間かけてもわからないのであれば、午前なら退出して午後の勉強に当てたり、早めに諦めたほうが懸命でしょう。

そして8割以上の人がこのタイミングで退出していました。そのため午後はみんな1時間時点で帰るため、バスが異常に混み合います。タクシーは相乗り、割り勘で運搬してくれるので、余裕があればその方が遥かに楽だと思います。

 

まあそんなこんなで受験し、一ヶ月くらい経ち合格と判明。家にはがきが届き、もらっていた免許申請書を郵送し、ひと月後くらいに免許が届きました。

 

それでは免許証を自慢して終わりにします。

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免許証表

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私は元年の冬に受験、合格しましたが、申請は2月頃だったので令和二年取得です。悲しい。元年が良かった。

 

 

なにか質問あれば答えます。お気軽にコメント下さい

ガンマ線透過写真撮影作業主任者試験 概要

今回はガンマ線透過写真撮影作業主任者(以下、ガンマ線作業主任者と略します)についてのまとめ記事です。

 

段落は

・そもそもガンマ線作業主任者とは

・試験概要

・免許取得までのながれ

・私の受験記、感想

の4つです。

 

次の2つは参考になるサイト(試験のHPとwiki)です

 

[1]安全衛生技術センターホームページ

https://www.exam.or.jp/index.htm

 

[2]wikipedia,ガンマ線透過写真撮影作業主任者

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E7%B7%9A%E4%BD%9C%E6%A5%AD%E4%B8%BB%E4%BB%BB%E8%80%85

 

 

 

 

 

それではここから本文です。

 

・そもそもガンマ線作業主任者とは

 事業者は、鋳物製品等の品質検査においてガンマ線を用いて写真撮影を行う場合、労働者の中からガンマ線透過写真撮影作業主任者を選任することが義務づけられている。(wikipediaより)

 そして主任者に選任されるために必要な免許がガンマ線作業主任者免状というわけです。

 

 これは個人的な体感ですが、受験者の大多数は社会人の方だと思います。就職のためにとかで取るような資格ではなく、業務上必要な職業についている方が会社から言われて受験しているのではないかと感じました。エックス線のときと同様です。

 

 

・試験概要

試験は各安全衛生技術協会の会場毎に年1回or2回行われており、筆記試験に合格することで免許申請をすることができるようになります。ちなみに2021年度は5月と11月との2回開催。ただし、試験会場は別(5月開催の試験会場は11月に試験なし、11月に試験開催の試験会場は5月に試験なし)でした。どうしても受けたければ年2回チャンスがありますが、試験会場の立地を考えると泊まり込みになりそうなので現実的には年1回かな。

 

合格条件は各科目4割以上かつ、全体で6割以上です。

また合格率は71.4%(令和2年度)ほどです。エックス線より約20%高い合格率ですね。これは問題が簡単であること、過去問とほとんど同じ問題が出題されること、科目免除が受けやすいこととの3つの理由があるのかと思います。

 


試験料:6800円

試験科目

 ・ガンマ線による透過写真の撮影の作業に関する知識(実務)

 ・法令

 ・ガンマ線照射装置に関する知識

 ・光子線の生物影響

 

詳細としては

午前、午後2時間ずつの試験(午前が実務と法令、午後が装置と生物影響)

→2021年の6月以降は、午後集合で休憩なしの4時間通しで行う試験へと変更されました。試験科目には変更がありません。

マークシートで5肢択一式

・電卓持ち込み可、ただし関数電卓は不可

 

また、計算自体は難しくなく時間もたくさんあるため、最悪電卓がなくても十分合格することが可能です。

 

ちなみに6月以降に開催される試験では形式が変更され、午後からの開催で4時間連続の試験へとなるようです。その方がいいね。早起きの必要がなく、冗長な昼休みもなくなり早く帰れてラッキーです。前述済

 

 

・免許取得までの流れ

まず受験申請書の請求ですが、安全衛生技術センターに郵送で申請書の申請を行いました。

郵送での請求について

 郵送を希望の方は、「免許試験受験申請書(受験する試験の種類も書いてください。) 〇部(必要部数を書いてください。)」と明記したメモ書と返信用郵送料金分の切手を貼った宛先明記の返信用封筒(角型2号封筒 縦34cm、横24cmの大きさ)を同封し、当協会本部又は受験を希望する各センターのいずれかに申し込んでください。
 なお、出張特別試験を御希望の場合は、希望する地区名と必要部数もメモ書に明記し、その地区を管轄するセンターへ申し込んでください。実施地区と管轄するセンターは、こちらで確認してください。

https://www.exam.or.jp/exmn/H_seikyu.htm(安全衛生技術センター 受験申請書の請求)

 

また、クレーン協会やら労働基準協会の各拠点で受け取ることも可能なようです。

 郵送料や申請書取り扱い機関は上記のURLに詳細がありますのでご確認ください。

 

 

そして申請書が届いたら、その中の書類に書いてあるとおりに申請を進めます。

やったことは

・証明写真の用意(内容とは関係ありませんが"履歴書カメラ"なるスマホアプリを使うと証明写真サイズの写真を取れます、コンビニなどのプリンタから数十円で印刷できるので、費用がかからずおすすめです)

・受験申請書の作成 (書き損じても所定の方法(斜線など)で訂正は行なえますが、そう何度も失敗できるものでもありません。申請書に付属している厚紙に直接記入するためもう一枚もらうのは大変です、よく確認して間違いのないようにしてください)

・試験料の振り込み

くらいですかね

 

この申請書ですが受験する学科(皆さんはガンマ線線作業主任者かとおもいます)によって紙が異なります。実技の有無で変わっていたと思いますが、申請書の説明を読んで間違いのないように気をつけてください。

 

申請書は自分の受験する会場に送ります。

 

 

申請後、受験の2週間ほど前に名前や受験番号などが書かれているはがきが届きます。これは受験当日に卓上に置いたままにするよう指示されます。

なので書き込みや汚すことがないようにし、なくさないように保存してください。

 

 

私のは本人確認書類の添付を忘れていたため、当日に窓口で運転免許のコピーを提出しました。書類に不備がある場合はこのように確認のタイミングがあり、また受験票にも記載があるので、安心して手続きを行ってください。

 

受験当日はまず軽い説明(電卓や書き込み方法の説明)を行ってから、本人確認をされます。このとき申請書に添付した証明写真と見比べられるので、写真と同じ状況(メガネならメガネ)があったほうが良いです。

 

 

その後午前の試験を受け、昼休憩(一時間で途中退出したので二時間ほど、なんと一年半前にはなかったコンビニが近く(徒歩20分)にできていたので遊びに行きました)の時間になり、また午後の試験です。

後にも書きましたが30分で試験は十分に終わりますので、焦らなくて大丈夫です。

 

そして免許申請書の冊子をもらって帰りました。

 

 

1週間くらい立つとホームページにて合格者の受験番号が公開され、それから少し経って合格通知書が自宅に届きます。

もらった免許申請書の冊子の通りに申請書を作成してください。

このとき、合格通知書も添付する必要があるので、汚したり無くしたりしないようにしましょう。

また所定額の収入印紙(コンビニなどで買えます)や証明写真などを貼り付け申請書を作成し、郵送します。

 

少し待つと免許が届きます。普通にポストインだった気がします。

 

以上が受験申請書の請求から免許取得までのおおまかな流れです。

 

 

 

 

・私の受験記、感想

私は総合大学の工学部生でガンマ線線作業主任者試験を受験、合格したのは令和3年度です。

 

第一種放射線取扱主任者試験に合格しているため、講習を受けて免状を貰えば申請のみでガンマ線の資格も得られますが、いかんせん講習費が高額(20万円)で5日間(宿泊費等もかかるのかな?)であるため受け倦ねています。就職してから金出してもらって取得したいですね。

ですから学生のうちには免状を得られる予定はなく、コレクション癖があり、またこうやって話題にもしたいなと思っていたので試験を受けてきました。

 

ちなみに過去問ですが以下の個人サイトから入手し、2012年度の5回分を行いました。

なんか最近の公表問題は答えと問題が一緒に掲載されており対策には使いづらいのでやっていません。ただ、簡単に内容を確認できるので試験前に眺めたりする分には有用です。

himajin.g2.xrea.com

 

 

ただこれだけでは対策がちょっと難しいかもしれません。私はお金を使いたくなかったので参考書には手を出しませんでしたが装置に関する知識はなかなか難しい。たとえば、ガンマ線照射装置には

・P型 portable 一人で持ち運べるような携帯型の装置

・M型 movable 車輪がついており移動可能な装置

・F型 Fixed 限られた範囲のみで用いる設置型の装置

の三種類がありますが、これがわかったのは試験前日でした。なんどググっても全然情報が得られず前日にようやく発見しましたが、なんとか覚えた感じです。ちなみに英語はこれであっているかわかりませんし、用語解説も私の適当なものです。詳しくは過去問によく登場するので確認してください。

 

あと、法令に関してはエックス線と同様「労働安全衛生法」と、「放射線同位元素等規制法」の2つのみですので、またもやオーム社の『エックス線作業主任者徹底対策』を参考に勉強を行いました。これは図書館で借りてきたものです。

 

まあそんなこんなで試験対策をして合格。ただなんとなく難化していた気がしなくも無い。この試験は基本的に「誤っているものを選びなさい」ってのが多いのですが、過去問では一発で間違いがわかるものが多く、今回は4つが正しいから間違いはこれかなみたいな感じで選ぶものが多かったです。それに加えて、私はRI主任者に合格してるから知ってるけれど、これ過去問とかにあったかな?みたいな難易度の知識問題も見受けられ難しかった気がします。いつからか知らないけど。

 

ちなみに私は生物影響の試験免除が可能でしたが、免除せず生物も回答しました。

これは単に生物が得意だからってだけで特段どっちがいいってこともないでしょう。過去問やってる感じは

実務、法令が8割 装置が5割 生物影響が10割

みたいな感じだったので私としては生物を受けなきゃ損でした。やっぱ勉強法が過去問のみの"装置"だけが難しく、受かるかどうかはそこ次第だったかな。あと免除のためには事業者等の免許の証明が必要で、学生の私には誰に証明もらればいいのか(当時は指導教員もいなかった)、役所とかに行くのもめんどいってことでやりたくなかったのも一つの理由です。

 

まあ年に1度の試験なので必ず受からなきゃいけない人は参考書(4千円程度)を購入するのも手ですが、お金を掛けたくなければ過去問の徹底とエックス線の参考書で十分でしょう。

ちなみにエックス線と比べるとガンマ線のほうが問題は簡単ですが、参考書があり受験機会も多い分エックス線のほうが合格はしやすいかなと思います。どっちも取るつもりならエックス線からのほうがいいでしょう。

 

 

 それでは以上、受験を考えているのであればまずはネットで過去問を漁ってやってみてください。そんなに難しい試験ではないので、理系知識がなくても1月、あれば2週間もかからず十分な知識をえられるでしょう。

 

 

原子力・放射線に係る国家資格について

今までいくつかの記事にて国家資格について触れてきましたので、あらためて一つの記事としてまとめたいと思います。

ただし、私自身学生であり知識の獲得を目的としているため、講習のみの資格や実務が必要な受験資格みたいなものは名前とかだけ載せて内容は省略気味です。そもそも情報が少ないしね。

 

 

まず、資格・試験一覧です。[ ]にはそれぞれの試験や登録を行う団体を記しています。

 

1. 放射線業務従事者 [各事業所等]

2. 運転責任者判定 [原子力安全推進協会]

3-1. 核燃料輸送警備2級 [各都道府県公安委員]

3-2. 核燃料輸送警備1級 [各都道府県公安委員]

4. エックス線作業主任者 [安全衛生技術協会]

5. ガンマ線透過写真撮影作業主任者 [安全衛生技術協会]

6. 第一種作業環境測定士 放射性物質(放射線) [安全衛生技術協会]

7-1. 第三種放射線取扱主任者 [原子力安全技術センター]

7-2. 第二種放射線取扱主任者 [原子力安全技術センター]

7-3. 第一種放射線取扱主任者 [原子力安全技術センター]

8. 核燃料取扱主任者 [原子力規制委員会]

9. 原子炉主任技術者 [原子力規制委員会]

10-1. 技術士一次試験 原子力放射線部門 [日本技術士会]

10-2. 技術士 原子力放射線部門 [日本技術士会]

 

以上です。あくまで私の知っている限りですが。

それではここからそれぞれの資格について概要とコメントを紹介してゆきます。

 

 

 

1. 放射線業務従事者 (各事業所等)

 初めて放射線業務従事者になるものは電離放射線健康診断と合計6時間以上の講習(時間は科目毎に詳細に定められている)を受ける必要があります。[1]

 これらは基本的には受ければ良いものですので難易度などはない上に、なりたくてなるというよりも必要性が出てきて講習を受けるような資格ですので特にコメントは有りません。

 

[1]ATOMICA, 放射線業務従事者の教育訓練練,

https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_09-04-09-06.html

 

 

2. 運転責任者判定 [原子力安全推進協会]

 基本的には電力会社の社員(原子炉の運転員)を対象にした資格であり、筆記試験、口頭試験、講習があります。[2]

 こちらも受けたくて受けられる試験ではなく、勤めている電力会社に言われて取りに行くような資格です。

 

[2]原子力安全推進協会, 運転責任者判定, 

http://www.genanshin.jp/activity/operation-supervisor-qualif.html

 

 

3-1. 核燃料輸送警備2級 [各都道府県公安委員]

3-2. 核燃料輸送警備1級 [各都道府県公安委員]

 こちらは筆記試験合格と講習を受けて登録との2つ方法があります。輸送の際に有資格者1人以上必要だったはず。

 2級は受験資格はなく、1級は1年以上の実務経験が必要です。こちらに至ってはあまり情報がなくよくわかりませんが2級なら取りたければ取れそうですね。年に1回くらいだけれど。[3]

 

[3]ジョブコンプラス, 核燃料輸送警備2級はどうやって取得すればいい?

https://job-con.jp/special/security/guide/license18

 

 

4. エックス線作業主任者 [安全衛生技術協会]

 ようやく学生に関係ある資格です。受験資格はなく、誰でも受験できます。管理、測定、法令、生物影響の4科目全て五肢択一式のマークシートです。参考書もあるのでそれを使って過去問を少し解いておけば難しい資格では有りません。2ヶ月に1度位のペースで試験があります。私の受験期もあるのでご参考ください。[4]

 

[4]エックス線作業主任者試験 概要, 

https://radio-atomic.hatenablog.jp/entry/2022/02/12/195414

 

 

 

5. ガンマ線透過写真撮影作業主任者 [安全衛生技術協会]

 前項のエックス線と同様、受験資格はなし。試験科目は実務、法令、装置の知識、生物影響の4科目で択一式のマークシート。[5] ただし参考書はほとんど無いため対策法が限られます。その上試験会場ごとに1年に1回。私はエックス線の参考書を用いて、あとは過去問でゴリ押しました。過去問は暇人ライセンス様のHPから。ただしちょくちょく正答が間違っているので頑張ってください。[6]

 

[5]安全衛生技術センター, ガンマ線透過写真作業主任者, 

https://www.exam.or.jp/exmn/H_shikaku710.htm

[6]暇人ライセンス, 労働安全衛生免許, 

http://himajin.g2.xrea.com/license/anzen/index.htm

 

 

6. 第一種作業環境測定士 放射性物質(放射線) [安全衛生技術協会]

 労働安全衛生法による免許の最後の項目、作業環境測定士です。第一種にのみ選択科目(専門科目)が存在し、その中に放射性物質(放射線)があります。ただし、受験資格として最低1年の実務経験が必要なので、こちらも学生は入手できません。[7]

 過去問を確認してみた感想としては、専門科目はRI(放射線取扱主任者)1種の実務科目を簡単にしたような感じ。共通科目はよくわかりませんが、化学が苦手だと難しそう。

 

[7]安全衛生技術センター, 作業環境測定士, 

https://www.exam.or.jp/exmn/H_shikakusakan.htm

 

 

7-1. 第三種放射線取扱主任者 [原子力安全技術センター]

 お待ちかねのRI主任者。第三種は試験ではなく2日間の講習を受けた後に修了試験に合格することで免許申請が可能になります。

受講資格は18歳以上であることで、受講料は93,398円、講習会場は東京と大阪の2ヶ所のみです。[8]

2種合格後の講習受講料が10万円程度なので3種の講習を受けるくらいなら2種を頑張って勉強するほうが有意義かとおもいます。

[8]原子力安全技術センター, 第3種放射線取扱主任者講習,

https://www.nustec.or.jp/the2nd/the2nd01.html


 

7-2. 第二種放射線取扱主任者 [原子力安全技術センター]

 放射線に関する資格の登竜門、RI2種ですね。RI2種やRI主任者、放取とか呼ばれている試験です。試験科目は法令、実務、物化生の3科目です。[9] 毎年お盆のあとに1回のみの試験ですが、試験は択一式のマークシートなのでそこまで困難では無いと思われます。問題をざっと見た感じだと、1種に受かるために必要な勉強量を100とすると2種は80くらい。それだったら一気に1種受けたほうがいいんじゃないかしら。まあ受験料が1万円くらいなので、小手調べとして受けるのもいいと思います。

 

[9]原子力安全技術センター, 放射線取扱主任者試験(第1種、2種), 

https://www.nustec.or.jp/syunin/syunin01.html

 

 

7-3. 第一種放射線取扱主任者 [原子力安全技術センター]

 メインの資格である放射線取扱主任者です。ガンマ線やエックス線はあまりに簡単だし、核燃料や原子炉主任はあまりに困難。その中間にあり、まあしっかりと勉強してゆけば確実に取れるよねみたいな資格がこちらです。試験は毎年夏に一回なので頑張って。

 科目は物理、化学、生物、法令、実務の5科目。以前は物化生がありましたが、分解されてそれぞれの科目に組み込まれました。受験料は1万5千円。基本は五肢択一式のマークシートですが、物、化、生の後ろ2問と実務科目は大問であり20択くらい与えられて穴埋めを繰り返していく方式なので若干難易度が上がります。

 基本的には高校の理系科目(地学除く)は全部わかっていたほうがいいと思います。もちろん、物理の中で熱力学はあまり関係ないし、化学の有機化学は出てこない、生物は細胞分野だけで十分ですが、関係ある部分に関しては高校レベルの知識が必要。あとは放射線の知識として学んでいってください。

 過去問をやるのであれば、物性化も解いておくことをお勧めします。

 

参考ページは2種と同様[9]です

 

8. 核燃料取扱主任者 [原子力規制委員会]

 核燃料取扱主任者はウランやプルトニウムなどの元素を取り扱うときに必要な資格です。その他のRIは放取の資格で十分ですが、核燃料物質だけは別ということですね。試験についてですが。法令、物化、取り扱い、防護・計測の4科目、全て2時間です。放取1種に合格(免状取得でなく、合格で十分)していると防護・計測が免除になります。

 受験料は47,700円。年に一回3月上旬の試験であり、事前に履歴書を提出したりする必要があります。そのうえ合格発表は6月となかなかの引き伸ばしっぷり。毎年50人から100人程度しか受験しない上に合格率は5%から40%程度。合格基準は各科目6割以上ですが完全に筆記試験(マークシートではない)なので難易度は高いですね。てか、こんなの受ける人は電力会社とかで長年働いた上に命令で受験しているだろうに合格率が3割程度とはどれだけ厳しいのかってことですね。

 受験申請が1月中なので余裕があれば受験したいと考えています。

 [10]原子力規制委員会, 資格・試験, 

https://www.nsr.go.jp/procedure/examination/index.html

 

9. 原子炉主任技術者 [原子力規制委員会]

 核燃料取扱主任者と同じく、原子力規制委員会による資格試験。こちらはさらに科目が増えて法令、原子炉理論、原子炉設計、運転制御、燃料・材料、測定・防護の6科目、3日間もあるなんてめちゃくちゃ長いですね。

 受験料はさらに上がって52,100円。核燃料と同じく履歴書の提出が必要だったりします。さらに厳しいことに、これまで記載したのが一次試験であって二次試験(口頭試験)も存在します。一次試験に職歴は必要ありませんが、2次試験を受けるためには6か月以上運転業務に勤めていた証明若しくは指定された教育課程の修了証明が必要なようです。[11]

 まあなんにせよ高難易度資格であることは間違いないですね。受験予定はありません。

 [11]原子力規制委員会, 資格・試験, 

https://www.nsr.go.jp/procedure/examination/index.html

 

10-1. 技術士一次試験 原子力放射線部門 [日本技術士会]

 日本技術士会の主催する資格試験。その名の通り技術士になるための試験です。例年10月頃に試験が行われ、技術士は21部門 (一次試験は20部門で、技術士のほうは総合技術管理部門が追加) 存在しますが、その中の20番目に原子力放射線部門があります。受験料は11,00円です。[12]

 技術士一次試験の科目は、基礎、適正、専門の3科目です。点数は15、15、50ですが、いずれも50%が合格基準ですべて5肢択1式。ちょっと出題形式が特殊なんですが、基礎科目はさらに5単元に分けられており、それぞれの単元に5問出題されます。そして受験者はそのうち各単元から3問ずつ選んで回答します。こういった形式なので苦手をなくすというよりも得意を確実にする方が有効な対策でしょう。問題難易度は高校+α程度。大学卒業レベルというよりかは、大学の前半二年で習うような基礎科目が出題されております。

 そして適正科目はなんもいうことないレベル。まともな人間(倫理観と国語力が大学レベル)なのであれば過去問を3周くらいすれば難しくありません。その程度。

 最後に専門科目ですがこれまた特殊。出題は35問そのうち、受験者が好みで選択し25問回答すればいいのです。また、問われる内容は簡単にした放射線取扱主任者or核燃料取扱主任者ってところでしょうか。いずれにせよめちゃくちゃ難しいわけではなく、原子力(発電)にかかわる基礎的な内容を幅広く扱っています。

 案の原子力部門の参考書はあまりありませんが、残りの二科目は充実してます。一応15年くらい前の専門科目の参考書 (電気、情報工学との抱き合わせ) がありましたのでそれを利用しましたが入手困難かも。技術士会がネットで解説公開してるので、過去問で頑張ってください。

[12]日本技術士会, 試験登録情報, 

https://www.engineer.or.jp/c_categories/index02009.html

 

10-2. 技術士 原子力放射線部門 [日本技術士会]

  技術士は、名誉独占資格と呼ばれる資格であり、「技術士の資格がないとできない業務」は存在しません。そのため金にならないといえば金にならないのですが、「技術士」という資格は国際的にエンジニアの能力を担保するために作られた資格であるため、実力証明としては有効でしょう。

 ただ、金にならない割に受験資格が厳しくかつ、合格難易度も高いことからコスパは悪そうですね。ちなみに受験料は14,000円。資格マニアも寄り付かない(寄り付けない)資格です。受験日程は毎年7月の上旬に筆記、筆記に合格したら12月〜4月に口頭試験を受けて合格発表という形です。

そして受験資格ですが、

【総合技術監理部門以外の技術部門を受験する場合】[13]

(1)技術士補に登録し、技術士補として通算4年を超える期間技術士を補助したことのある者。

(2)技術士補となる資格を有した日から、科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、評価又はこれらに関する指導の業務を行う者の監督のもとに当該業務に従事した期間が通算4年を超える者。

(3)科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務に従事した期間が通算7年を超える者。(技術士補となる資格を有した日以前の従事期間も算入することができます。)

 

こんな感じ。(1)、(2)は1次試験に合格してから実務につけという話。(3)は1次試験の合格はいつでも良くて、例えば「仕事で10年専門能力に必要な業務に勤め、昨年技術士1次試験に合格した」みたいな人でも大丈夫ということですね。あと、大学院で専門に関する研究をしていれば、各年数を2年短縮できるようです。

 そして試験科目についてですが、筆記は専門科目のみ。ただし専門科目の中に必須科目と選択科目があり、以前は選択が5科目あったのですが、現在原子炉システム・設備、核燃料サイクル及び放射性廃棄物の処分・処理、放射線防護及び利用の3科目のみとなっております。

 この筆記試験合格者のみ口頭試験が行われて合格発表となっております。私もいつかは欲しい資格ですが、学生であるうちは当分関係無く、まずは核燃料から頑張ろうかなと思っています。

 

 

 

 

以上。ようやく10個程度の資格についてお話しました。記事を書いたときのやる気によって熱が入っていたり入っていなかったりしますが、大目に見てください。とにかく名前だけ見て、気になる資格があったら是非受験を検討してみたらどうでしょうか。

あ、学生(18歳以上)が取得できる資格を最後に残しておきますね。

1. 放射線業務従事者 [各事業所等]

3-1. 核燃料輸送警備2級 [各都道府県公安委員]

4. エックス線作業主任者 [安全衛生技術協会]

5. ガンマ線透過写真撮影作業主任者 [安全衛生技術協会]

7-1. 第三種放射線取扱主任者 [原子力安全技術センター]

7-2. 第二種放射線取扱主任者 [原子力安全技術センター]

7-3. 第一種放射線取扱主任者 [原子力安全技術センター]

8. 核燃料取扱主任者 [原子力規制委員会]

10-1. 技術士一次試験 原子力放射線部門 [日本技術士会]

 

ただし、この中で試験がなかったりするものがあるのでそれらを除くと

 

(3-1. 核燃料輸送警備2級 [各都道府県公安委員])

4. エックス線作業主任者 [安全衛生技術協会]

5. ガンマ線透過写真撮影作業主任者 [安全衛生技術協会]

7-2. 第二種放射線取扱主任者 [原子力安全技術センター]

7-3. 第一種放射線取扱主任者 [原子力安全技術センター]

8. 核燃料取扱主任者 [原子力規制委員会]

10-1. 技術士一次試験 原子力放射線部門 [日本技術士会]

 こんな感じ。

私のオススメは、

・エックス線取扱主任者

ガンマ線透過写真撮影作業主任者

技術士一次試験

放射線取扱主任者

の4つですかね。放取を取るなら上の2つはいりませんので、学部2, 3, 4年生なら放取の1種と技術士一次を目指せばいいのではないでしょうか。1年生は基礎的な知識を得るためにエックス線とガンマ線とがおすすめです。

 

それでは長くなりました。お金と時間があれば核燃料輸送警備2級も講習に行きたいなあと思ってます。

 

私の持ってる資格、本ブログの方針

永遠に放置していた「放射線原子力についてを書くブログ」に着手します。

 

まずは、権威付けとして私の持っている資格について

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原子力関連の資格



1つ目は写真左側,、放射線取扱主任者試験合格証です。放射線取扱主任者試験は第1種から3種までありますが、その中で1種に合格しております。講習を受けないと主任者免状を得られないため、実際問題まだ資格保有ではありませんが、試験合格のための一定の知識量はあるということでご紹介。

2つ目は写真右上技術士一次試験合格証。受験したのはもちろん原子力放射線部門です。放射線取扱主任者試験はその名の通り放射線放射性物質に関する知識が問われますが、技術士一次試験では原子力に関しての知識も問われるため多少異なる知識が必要です。あまり難しい試験ではありませんので、大した自慢にもなりませんが、基礎的な工学知識+簡単な原子力の知識の証明ってところでしょうか。

3つ目は写真右下、労働安全衛生法による免許証です。免許証下部に表がありますが、よくみると1と0とが入ってます。合格したもののみに1が付くのですが、私の者には右側2つ、エックス線とガンマ線の項目に1が付いております。つまり持っている資格はエックス線作業主任者とガンマ線透過写真撮影主任者です。放射線取扱主任者技術士一次試験と比べるとはるかに簡単な資格試験ではありますが、放射線の中でも電磁波に関する知識が必要とされます。

 

私が所持している放射線原子力に係る資格等は以上です。別にこんなものを持っているからと言って"正しい知識を一定量持っていること"が分かったとしても、"正しい知識しか持っていない証明"にはなりませんし、"正しい知識を公開している証明"にもなりませんが、何も根拠がないよりかはましでしょう。

 

ということで、本ブログの方針は

1 エックス線作業主任者試験とガンマ線作業主任者試験の過去問解説を行う

2 技術士一次試験 原子力放射線部門の過去問解説を行う

3 原子力放射線関連の資格についてまとめる

4 原子力放射線関連の知識普及を目指した記事を書く

以上の4点を中心に記事を執筆することです。

 

また、徐々に前ブログから記事の移行を行いたいと考えております。