ガンマ線透過写真撮影作業主任者試験 概要

今回はガンマ線透過写真撮影作業主任者(以下、ガンマ線作業主任者と略します)についてのまとめ記事です。

 

段落は

・そもそもガンマ線作業主任者とは

・試験概要

・免許取得までのながれ

・私の受験記、感想

の4つです。

 

次の2つは参考になるサイト(試験のHPとwiki)です

 

[1]安全衛生技術センターホームページ

https://www.exam.or.jp/index.htm

 

[2]wikipedia,ガンマ線透過写真撮影作業主任者

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E7%B7%9A%E4%BD%9C%E6%A5%AD%E4%B8%BB%E4%BB%BB%E8%80%85

 

 

 

 

 

それではここから本文です。

 

・そもそもガンマ線作業主任者とは

 事業者は、鋳物製品等の品質検査においてガンマ線を用いて写真撮影を行う場合、労働者の中からガンマ線透過写真撮影作業主任者を選任することが義務づけられている。(wikipediaより)

 そして主任者に選任されるために必要な免許がガンマ線作業主任者免状というわけです。

 

 これは個人的な体感ですが、受験者の大多数は社会人の方だと思います。就職のためにとかで取るような資格ではなく、業務上必要な職業についている方が会社から言われて受験しているのではないかと感じました。エックス線のときと同様です。

 

 

・試験概要

試験は各安全衛生技術協会の会場毎に年1回or2回行われており、筆記試験に合格することで免許申請をすることができるようになります。ちなみに2021年度は5月と11月との2回開催。ただし、試験会場は別(5月開催の試験会場は11月に試験なし、11月に試験開催の試験会場は5月に試験なし)でした。どうしても受けたければ年2回チャンスがありますが、試験会場の立地を考えると泊まり込みになりそうなので現実的には年1回かな。

 

合格条件は各科目4割以上かつ、全体で6割以上です。

また合格率は71.4%(令和2年度)ほどです。エックス線より約20%高い合格率ですね。これは問題が簡単であること、過去問とほとんど同じ問題が出題されること、科目免除が受けやすいこととの3つの理由があるのかと思います。

 


試験料:6800円

試験科目

 ・ガンマ線による透過写真の撮影の作業に関する知識(実務)

 ・法令

 ・ガンマ線照射装置に関する知識

 ・光子線の生物影響

 

詳細としては

午前、午後2時間ずつの試験(午前が実務と法令、午後が装置と生物影響)

→2021年の6月以降は、午後集合で休憩なしの4時間通しで行う試験へと変更されました。試験科目には変更がありません。

マークシートで5肢択一式

・電卓持ち込み可、ただし関数電卓は不可

 

また、計算自体は難しくなく時間もたくさんあるため、最悪電卓がなくても十分合格することが可能です。

 

ちなみに6月以降に開催される試験では形式が変更され、午後からの開催で4時間連続の試験へとなるようです。その方がいいね。早起きの必要がなく、冗長な昼休みもなくなり早く帰れてラッキーです。前述済

 

 

・免許取得までの流れ

まず受験申請書の請求ですが、安全衛生技術センターに郵送で申請書の申請を行いました。

郵送での請求について

 郵送を希望の方は、「免許試験受験申請書(受験する試験の種類も書いてください。) 〇部(必要部数を書いてください。)」と明記したメモ書と返信用郵送料金分の切手を貼った宛先明記の返信用封筒(角型2号封筒 縦34cm、横24cmの大きさ)を同封し、当協会本部又は受験を希望する各センターのいずれかに申し込んでください。
 なお、出張特別試験を御希望の場合は、希望する地区名と必要部数もメモ書に明記し、その地区を管轄するセンターへ申し込んでください。実施地区と管轄するセンターは、こちらで確認してください。

https://www.exam.or.jp/exmn/H_seikyu.htm(安全衛生技術センター 受験申請書の請求)

 

また、クレーン協会やら労働基準協会の各拠点で受け取ることも可能なようです。

 郵送料や申請書取り扱い機関は上記のURLに詳細がありますのでご確認ください。

 

 

そして申請書が届いたら、その中の書類に書いてあるとおりに申請を進めます。

やったことは

・証明写真の用意(内容とは関係ありませんが"履歴書カメラ"なるスマホアプリを使うと証明写真サイズの写真を取れます、コンビニなどのプリンタから数十円で印刷できるので、費用がかからずおすすめです)

・受験申請書の作成 (書き損じても所定の方法(斜線など)で訂正は行なえますが、そう何度も失敗できるものでもありません。申請書に付属している厚紙に直接記入するためもう一枚もらうのは大変です、よく確認して間違いのないようにしてください)

・試験料の振り込み

くらいですかね

 

この申請書ですが受験する学科(皆さんはガンマ線線作業主任者かとおもいます)によって紙が異なります。実技の有無で変わっていたと思いますが、申請書の説明を読んで間違いのないように気をつけてください。

 

申請書は自分の受験する会場に送ります。

 

 

申請後、受験の2週間ほど前に名前や受験番号などが書かれているはがきが届きます。これは受験当日に卓上に置いたままにするよう指示されます。

なので書き込みや汚すことがないようにし、なくさないように保存してください。

 

 

私のは本人確認書類の添付を忘れていたため、当日に窓口で運転免許のコピーを提出しました。書類に不備がある場合はこのように確認のタイミングがあり、また受験票にも記載があるので、安心して手続きを行ってください。

 

受験当日はまず軽い説明(電卓や書き込み方法の説明)を行ってから、本人確認をされます。このとき申請書に添付した証明写真と見比べられるので、写真と同じ状況(メガネならメガネ)があったほうが良いです。

 

 

その後午前の試験を受け、昼休憩(一時間で途中退出したので二時間ほど、なんと一年半前にはなかったコンビニが近く(徒歩20分)にできていたので遊びに行きました)の時間になり、また午後の試験です。

後にも書きましたが30分で試験は十分に終わりますので、焦らなくて大丈夫です。

 

そして免許申請書の冊子をもらって帰りました。

 

 

1週間くらい立つとホームページにて合格者の受験番号が公開され、それから少し経って合格通知書が自宅に届きます。

もらった免許申請書の冊子の通りに申請書を作成してください。

このとき、合格通知書も添付する必要があるので、汚したり無くしたりしないようにしましょう。

また所定額の収入印紙(コンビニなどで買えます)や証明写真などを貼り付け申請書を作成し、郵送します。

 

少し待つと免許が届きます。普通にポストインだった気がします。

 

以上が受験申請書の請求から免許取得までのおおまかな流れです。

 

 

 

 

・私の受験記、感想

私は総合大学の工学部生でガンマ線線作業主任者試験を受験、合格したのは令和3年度です。

 

第一種放射線取扱主任者試験に合格しているため、講習を受けて免状を貰えば申請のみでガンマ線の資格も得られますが、いかんせん講習費が高額(20万円)で5日間(宿泊費等もかかるのかな?)であるため受け倦ねています。就職してから金出してもらって取得したいですね。

ですから学生のうちには免状を得られる予定はなく、コレクション癖があり、またこうやって話題にもしたいなと思っていたので試験を受けてきました。

 

ちなみに過去問ですが以下の個人サイトから入手し、2012年度の5回分を行いました。

なんか最近の公表問題は答えと問題が一緒に掲載されており対策には使いづらいのでやっていません。ただ、簡単に内容を確認できるので試験前に眺めたりする分には有用です。

himajin.g2.xrea.com

 

 

ただこれだけでは対策がちょっと難しいかもしれません。私はお金を使いたくなかったので参考書には手を出しませんでしたが装置に関する知識はなかなか難しい。たとえば、ガンマ線照射装置には

・P型 portable 一人で持ち運べるような携帯型の装置

・M型 movable 車輪がついており移動可能な装置

・F型 Fixed 限られた範囲のみで用いる設置型の装置

の三種類がありますが、これがわかったのは試験前日でした。なんどググっても全然情報が得られず前日にようやく発見しましたが、なんとか覚えた感じです。ちなみに英語はこれであっているかわかりませんし、用語解説も私の適当なものです。詳しくは過去問によく登場するので確認してください。

 

あと、法令に関してはエックス線と同様「労働安全衛生法」と、「放射線同位元素等規制法」の2つのみですので、またもやオーム社の『エックス線作業主任者徹底対策』を参考に勉強を行いました。これは図書館で借りてきたものです。

 

まあそんなこんなで試験対策をして合格。ただなんとなく難化していた気がしなくも無い。この試験は基本的に「誤っているものを選びなさい」ってのが多いのですが、過去問では一発で間違いがわかるものが多く、今回は4つが正しいから間違いはこれかなみたいな感じで選ぶものが多かったです。それに加えて、私はRI主任者に合格してるから知ってるけれど、これ過去問とかにあったかな?みたいな難易度の知識問題も見受けられ難しかった気がします。いつからか知らないけど。

 

ちなみに私は生物影響の試験免除が可能でしたが、免除せず生物も回答しました。

これは単に生物が得意だからってだけで特段どっちがいいってこともないでしょう。過去問やってる感じは

実務、法令が8割 装置が5割 生物影響が10割

みたいな感じだったので私としては生物を受けなきゃ損でした。やっぱ勉強法が過去問のみの"装置"だけが難しく、受かるかどうかはそこ次第だったかな。あと免除のためには事業者等の免許の証明が必要で、学生の私には誰に証明もらればいいのか(当時は指導教員もいなかった)、役所とかに行くのもめんどいってことでやりたくなかったのも一つの理由です。

 

まあ年に1度の試験なので必ず受からなきゃいけない人は参考書(4千円程度)を購入するのも手ですが、お金を掛けたくなければ過去問の徹底とエックス線の参考書で十分でしょう。

ちなみにエックス線と比べるとガンマ線のほうが問題は簡単ですが、参考書があり受験機会も多い分エックス線のほうが合格はしやすいかなと思います。どっちも取るつもりならエックス線からのほうがいいでしょう。

 

 

 それでは以上、受験を考えているのであればまずはネットで過去問を漁ってやってみてください。そんなに難しい試験ではないので、理系知識がなくても1月、あれば2週間もかからず十分な知識をえられるでしょう。